ヴィヴェーカーナンダ

天才科学者、ニコラ・テスラ。宗教の天才、ヴィヴェーカーナンダ。 19世紀末のニューヨークで2人は出会い、会話を交わしました。 科学と宗教はまさに水と油。2人の話し合いは平行線に終わりそうなものです。 しかし、互いは深い尊敬を抱き、会話はとても弾みました。<h2 id="he6b06da1e0">違う分野。同じ方法</h2>ヴィヴェーカーナンダはテスラの発明品に感銘を受けました。<h5 id="h91a8b3e910">「どうしてこんなに素晴らしいアイデアを思いつくことができるのですか？」</h5>と尋ねました。 テスラは、<h5 id="he140cadf1e">「自分の発明品を作る前に、頭の中でイメージすることができるんだ」</h5>と答えたそうです。 ヴィヴェーカーナンダはこのアイデアに魅了されました。 同じような手法を師であるラーマクリシュナから学んだとテスラに告げた。 「深く瞑想し、集中力を高めて目標をイメージするように」 かつてラーマクリシュナはヴィヴェーカーナンダに教えました。 違う分野で第一人者として高い境地にいた2人が同じ方法で成功していたことが面白いですね。

天才科学者ニコラ・テスラとの出会い

ある人がヴィヴェーカーナンダに、 「僧侶は自分の国に特別な執着を持つべきではない。すべての国を自分の国と見なすべきです。」 と言ったそうです。 これに対してヴィヴェーカーナンダはこう答えました。<h4 id="h37d93d051a">「出家修行僧であっても自分の母国を愛するべきです。自分の国を愛することができない者が、どうして世界を受け入れることができるでしょうか？　まず愛国心、それから普遍主義です。」</h4>

真の博愛主義者になるには愛国者たれ

<h2 id="h5c03b3ab3c">万国宗教会議でのスタンディングオベーション</h2>1893年、アメリカのシカゴで万国宗教会議が開かれました。 世界各国から各宗教の指導者が一堂に会し、演説を行うイベントです。 大々的に開催された会議で多数の観衆が詰めかけました。しかし会場の空気はしらけていました。 というのも、すべての演説者が自身の信奉する宗教の優位性を語ることに終始していたからです。 ヴィヴェーカーナンダの演説順は最後でした。<h4 id="h9a260b46eb">「アメリカの兄弟姉妹の皆さん！」</h4>彼はこの言葉を最初に発しました。 その瞬間、観衆は一斉に立ち上がり歓声を上げました。 スタンディングオベーションは数分間鳴り止まなかったそうです。 演説の内容も秀逸で、それまでの参加者とは真逆の内容、つまり『すべての宗教は道は違えど同じゴールへとつながっている』というものでした。 演説の内容の素晴らしさからヴィヴェーカーナンダは「万国宗教会議で最も重要な人物」として主要な新聞に取り上げられました。<h2 id="h54eefa7b2b">名声を手にした夜</h2>ヴィヴェーカーナンダが万国宗教会議で成功したことにより、彼は世界中に名が知られました。 世界的名声を手にしたのだから、有頂天になっても不思議ではありませんがヴィヴェーカーナンダは違いました。 彼はこう感じました「私はもう二度と、誰にも知られずにインドを放浪することはできない。公の場での世界的な使命が始まったのだ。」と。 世界的な名声を手にしながらも彼には利己的な欲はありませんでした。 シカゴ社交界の最も裕福な人々の邸宅でのパーティーに招かれ、ヴィヴェーカーナンダは名誉ある客人として迎えられました。 彼は王族のようにもてなされ、彼の想像を超える豪華な部屋があてがわれたのですが、この素晴らしい環境の中で幸せを感じるどころか、惨めな気持ちになりました。 彼の心は常に、祖国インドのことを思っていたからです。 名声も、数え切れない賛同も、彼には何の価値もありませんでした。 豪華なもてなしを受けても、彼は昔と変わらず、インドの貧しい人々のことを考える出家僧であったのです。 万国宗教会議で成功を収めたその夜、ベッドに横たわったとき、彼は貧困にあえぐインドと、豊かなアメリカとの対比に圧倒されてしまいました。 インドの窮状を考えていると眠れなくなりました。羽毛のベッドが茨のベッドのように感じました。枕は彼の涙で濡れました。 彼は窓際に行き、暗闇を見つめながら、悲しみで気が遠くなりそうでした。やがて、感極まった彼は床に倒れ、 「聖なる母（カーリー女神）よ、我が祖国が貧しさに沈んでいるのに、私は名や名声に何の関心を持てばよいのでしょうか」 と叫びました。 <h4 id="h9e661f44d7">「一握りの米を得るために何百万人もが死んでいるのに、ここでは何百万ルピーも使って自分たちの快適さを追求している。誰がインドの大衆を育てるのでしょうか？　誰が彼らにパンを与えるのでしょうか？　聖なる母よ、どうしたら彼らを助けることができるのか、私に教えてください！」</h4>

世界的名声を手にした夜に流した涙の理由

<h2 id="hf504123b01">ある泥棒の話</h2>ガジプルのガンガー河畔に一人の聖者が住んでいました。 ある日、その聖者の家に泥棒が押し入りました。 泥棒は、聖者が銀の器をいくつか持っていること、多くの信者がその聖者にお布施をしていたことを知っていたので、 「お宝があるに違いない」と考えて何日も前から聖者の家を監視していたのです。 ついに泥棒が聖者の家に入りました。 泥棒が家に入ると、彼の狙い通りたくさんの食器がありました。 泥棒はそれらを取って自分のバッグに詰めましたが、食器同士が当たり音を立ててしまいました。 「この音はなんだ？　動物がいるぞ。 」と聖者。 聖者はその音をきっかけに瞑想から抜け出して泥棒を見つけました。 泥棒に入ったことが聖者にバレた瞬間、泥棒は捕まることを恐れて、その場から逃げ出しました。 聖者は泥棒が持ち去ろうとした食器が入った袋を持ち泥棒の後ろを走ってこう叫びました「止まりなさい！」 そして、泥棒を追い抜いてこう言いました。<h4 id="h885deb6257">「恐れなくても大丈夫。これはあなたのものだ。さあ持って帰りなさい。」</h4>なんと聖者は自分の家にある金目のものすべてを泥棒に持たせて帰らせたのです。<h2 id="h48dc631545">ヴィヴェーカーナンダとの出会い</h2>それから数年後、ヴィヴェーカーナンダがケダールやバドリーなどに巡礼に行ったとき、氷の張った場所に横たわるサドゥーを見かけました。 ヴィヴェーカーナンダは自分の毛布をそのサドゥーに渡しました。 サドゥーは顔を上げ、ひと目見てヴィヴェーカーナンダが偉大な霊的達成を果たした聖者であることを悟ると、自分の人生を語り始めたのです。 「聖人パヴァハリ・ババのことを聞いたことがありますか？」彼はスワミ・ヴィヴェーカナンダに尋ねました。 そして、パヴァハリ・ババの生涯を話しました。 そして最後に彼は言いました。<h4 id="h11dbfd8ec0">「私はそのときの泥棒です。聖人パヴァハリ・ババが私に触れてくださったその日から、私の人生に変化が起こりました。私は自分の行いを激しく後悔しました。それ以来、私は自分の罪を償おうとしているのです」</h4>

泥棒を改心させた聖者の行動

その当時、ヴィヴェーカーナンダはラージャスターン州の鉄道の駅に住んでいました。 偉大な出家修行僧である彼のもとには、ヴィヴェーカーナンダとの会話を楽しむためにひっきりなしに人がやってきました。 訪問客たちはヴィヴェーカーナンダに多くの質問をしました。ほとんどが宗教的なもので、ヴィヴェーカーナンダはたゆみなくそれらに答えました。 このようにして三日三晩が過ぎました。 ヴィヴェーカーナンダは霊的な事柄について話すのに夢中で食べることさえしませんでした。 彼のもとに集まってくる人々はヴィヴェーカーナンダに「師よ、あなたは私たちの質問に答え続けてくれますが、食事をとっていますか？」と聞ききませんでした。 ヴィヴェーカーナンダがそこに滞在して三日目の夜、訪問者たちが帰った後、一人の貧しい男が出てきてヴィヴェーカーナンダに愛情を込めてこう言いました。<h4 id="hd51fece339">「あなたは一滴の水も飲んでいません。あなたの体が心配で私は気が気ではありません。」</h4>ヴィヴェーカーナンダは『神がこの貧しい男の姿になって自分の前に現れた』と感じました。 ヴィヴェーカーナンダはその男を見て「何か食べるものをください」と言いました。 その男の職業は靴職人でしたので、少しためらいながら 「ヴィヴェーカーナンダ、私の心はあなたにパンをあげたいと願っていますが、どうしたらいいでしょうか？　私はパンに手をつけてしまいました。もしあなたが許してくれるなら、粗い小麦粉とダルを持ってきますから、好きなように調理してください！」 「いいえ、あなたが焼いたパンを私にください。喜んで頂戴します。」 とヴィヴェーカーナンダは言いました。 貧しい男は怯えました。なぜならカーストの低い彼が、サンニャーシン（出家修行僧）のために食事を用意することはカースト制度上、禁止されているからです。 もし彼がヴィヴェーカーナンダに食事を奉仕したことを知ったら、国王が自分を罰するかもしれないと恐れたのです。 しかし、偉大な出家修行者に仕えたいという純真な気持ちが、その恐怖に打ち勝ちました。 彼は急いで家に帰り、すぐにヴィヴェーカーナンダのために焼きたてのパンを持って戻ってきました。 この貧乏人の優しさと無私の愛にヴィヴェーカーナンダは涙を流しました。<h4 id="h767eb749ab">「彼のような愛を持つ人が、私たちの国で、どれだけたくさん人知れず暮らしているのだろうか」</h4>と思いました。 彼らは物質的には貧しく、卑しい出自でありながら、とても高貴で大きな心を持っているのです。 しばらくすると何人かの紳士がヴィヴェーカーナンダのもとにやってきました。 彼らは、ヴィヴェーカーナンダが靴屋の差し入れを食べているのを見つけると腹を立てました。 彼らはヴィヴェーカーナンダのところにやってきて、卑しい身分の人間から食べ物を受け取るのは不適切だと言いました。 ヴィヴェーカーナンダは辛抱強く彼らの話を聞いた後、<h4 id="h7a39edf924">「あなた方はこの三日間、私に休みなく話をさせましたが私が食事と休息を取ったかどうか尋ねる気もありませんでしたね。あなたたちは自分は紳士だと言い、自身のカーストを誇っています。そして今、この低いカーストの靴職人を非難しています。 それは恥ずべきことです。この靴職人がが示した人間性を目の当たりにして、それでもまだ彼を軽蔑することができますか？」</h4>

ヴィヴェーカーナンダを感動させた奴隷階級の靴職人の行動

スワミ・ヴィヴェーカナンダがヒマラヤを巡礼していたときの話です。 長い巡礼路を登っていたとき、とても疲れ切った老人が上り坂のふもとで絶望的に立っているのを見ました。 その老人は悔しそうにスワミジ（ヴィヴェーカーナンダ）に言いました。 「ああ、お坊さん、どうやって登ればいいのですか。もうこれ以上歩けません。胸が張り裂けそうです。」 スワミジはその老人の話を辛抱強く聞いてから <h4 id="hbc1673bf2b">「足元を見てください。足元にある道は、あなたが通り過ぎてきた道であり、あなたの目の前にある道と同です。目的地にすぐにたどり着くでしょう。」</h4>この言葉に勇気づけられ、老人は再び前を向いて歩き出しました。

疲れた老人を一瞬で元気づけた言葉

<h2 id="h3bd5774d7b">授業を忘れさせる話術</h2>ナレンドラ（スワミ・ヴィヴェーカナンダの俗名）は、人柄もさながら語る言葉も魅力的でした。 彼が話をすると、周りにいる人たちは、みな仕事を忘れて熱心にその話に聞き入りました。 ある日のこと、ナレンドラは学校の休み時間に友達と楽しそうに話していました。 そのとき、教師が教室に入り、自分の担当する教科を教え始めました。 しかし、生徒たちはナレンドラの話に夢中で、授業に身が入りません。 しばらくして、教師は、自分の授業ではなくナレンドラの話に夢中になっている生徒たちに気づきました。 そこで、教師は生徒たちに「私がこの授業で教えた内容を説明してみなさい」と尋ねました。 もちろん、ナレンドラの話に夢中になっていた生徒は誰も答えられません。<h2 id="h8c8e46ed53">授業内容を理解していた？</h2>しかし、ナレンドラは教師が話した授業の内容をスラスラと説明してしまいました。 なんと、友達を爆笑させながらも教師の授業も理解していたのです！ ナレンドラの回答に教師は驚きました。そしてこう考えました。 「授業中に話していた生徒はナレンドラではない。ということは別の犯人がいるはずだ。」 教師は生徒に「授業中に話していたのは誰だ」と聞きました。 みんなナレンドラを指さしましたが、教師はそれを信じようとしません。 話をしながら授業の内容を理解するなんてできるはずがないと考えたからです。 そこで教師は、ナレンドラ以外の生徒たちにベンチに立つように言いました。（日本でいう廊下に立つのようなもの） ナレンドラも仲間に加わって立ち上がりました。教師はナレンドラに座るように言いました。 言われたナレンドラは教師にこう言いました。 <h4 id="h2436b1f475">「いいえ、先生、私も立たなければなりません。私が彼らに話しかけたのですから」</h4>

ヴィヴェーカーナンダの逸話 一覧

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