武将に似つかわしくない謙虚さ
部下が気軽に褒めることすらできない謙虚さ
毛利元就や宇喜多直家と並び称される謀略家として有名な尼子経久(あまごつねひさ)。
武芸や戦略などの戦国武将に必要な資質だけでなく、多面に才能を発揮しました。
晩年には自画像を書き遺したりしました。
そんな経久は、度が過ぎるほどの人格者としても知られています。
家臣想いの優しい人物
経久は、とにかく家臣を大事にしました。
戦の後には、自ら負傷した家臣の手当をしたり、
戦死した家臣の家族には涙ながらに謝罪したそうです。
家臣が経久の持ち物を褒めるとすぐにどんな高価な物でも与えてしまうため、家臣はむやみに褒めることができなかったそうです。
褒められると自身が着る物さえも与えてしまうので、寒い冬でも薄綿の小袖一枚で過ごしているときもあったそうです。
「さすがに庭の松の木なら褒めても大丈夫だろう」と部下が松の木を褒めたところ、なんと経久は
松の木を掘り起こそうとした
ので家臣が慌てて止めました。
しかし、結局は松の木を薪にして部下に与えてしまったとのことです。
ケチとも言えるほどの倹約家であり、家臣が瓜の皮を厚く切ることを嫌がり、自分で薄く切っていたそうです。
武力に長け、気性が荒いイメージを持ちがちな戦国武将。
経久のような武将もいるんだと知るとなお、歴史を知るのが楽しくなりますね。