サンドウィッチマンがM-1決勝で経験した「史上最大のピンチ」|敗者復活から優勝の裏でネタが飛んだ瞬間
2007年12月23日、『M-1グランプリ2007』の決勝。無名だったサンドウィッチマンが、大会史上初めて敗者復活戦から優勝を果たしました。その最終決戦の舞台裏で、実は二人にとって「史上最大のピンチ」が起きていたといいます。
約4200組の頂点へ
この年のエントリーは過去最多の4239組。サンドウィッチマンは大井競馬場で行われた敗者復活戦を勝ち上がって決勝に加わり、ファーストラウンドを1位で通過しました。最終決戦で選んだのは、ピザ屋の配達人と客のやりとりを描く、一番自信のあるネタ「ピザのデリバリー」です。結果は審査員4票を集めての優勝でした。
ネタ中に起きたトラブル
富澤たけしさんと伊達みきおさんが、著書『復活力』(幻冬舎文庫)で明かしている内容によると、順調に進んでいた漫才の途中で、ツッコミの伊達さんが次のセリフを忘れてしまいました。伊達さんは目で富澤さんにSOSを送ります。ところが、そこで富澤さんも続きを思い出せなかったそうです。
「最悪なのは、伊達の『飛び』が瞬時に伝染して、その先のネタを僕も思い出せなかったことだ」(富澤)
沈黙が続けば放送事故になりかねない場面でしたが、次の瞬間、伊達さんが「ふざけてんだろ、お前!」と次のセリフを思い出して、ネタは続きました。富澤さんによると、トラブルの時間は「コンマ1秒、あるかないか」。見ている人はほとんど気づかなかっただろうと振り返っています。
優勝会見での一言
優勝直後の会見で、伊達さんは「(本番中のことは)本当に全く覚えていない」と話し、富澤さんは「相方が途中でネタが飛んだけど、優勝できてよかった」と明かしました。優勝の瞬間、伊達さんは目に涙を浮かべ、「夢見ごこちです」とつぶやいたと伝えられています。
約10年の下積みの末に、紙一重で摑んだ頂点
1998年のコンビ結成から約10年、狭いアパートでの暮らしと下積みを重ねた二人。何度もネタ合わせを重ねた「寝ながらでも暗唱できるネタ」でさえ、決勝の大舞台では飛んでしまう。それでも相方の一言と呼吸で乗り切れたことが、二人の絆を物語る名場面として、今も語り継がれています。




