松下幸之助が語った成功の理由「貧乏で学歴もなく、体も弱かった。だから成功した」
「経営の神様」と呼ばれた松下幸之助は、あるとき「ご自身は、なぜ成功したと思いますか?」と尋ねられたと伝えられています。
松下幸之助の答え
松下政経塾の塾生がたずねた場面の話として、松下はこう答えたといいます。
「貧乏で学歴もなく、体も弱かった。だから成功した」
普通なら「成功できない理由」に数えられそうな三つを、成功の理由として挙げたのです。
三つの「ないない」をどう受け止めたか
松下は9歳で丁稚奉公に出て、小学校も卒業できませんでした。さらに幼いころから病弱でした。語られ方には少しずつ違いがありますが、その受け止め方は次のように紹介されています。
- 貧乏だったから、お金の価値がわかり、一歩一歩着実に、ムダなく進もうとした
- 学歴がなかったから、いつも人に教えを請うことができた
- 体が弱かったから、人に頼んで仕事を任せることを覚え、結果として部下が育った
著書『人生心得帖』にも、体が弱かったから人に頼んで仕事をしてもらうことを覚えた、学歴がなかったから常に人の教えを請うことができた、といった趣旨の言葉があると紹介されています。
「禍を転じて福と為す」
この話を伝えた小田全宏さんは、松下の考え方を「陽転思考」と呼んでいます。コップに水が半分あるとき、「半分しかない」と見るか「半分もある」と見るか。事実は同じでも、見方を変えれば、不足は強みに変わるというわけです。
小田さんによると、松下は「悩みはひとつしかない」とも語っていたそうです。人は同時にいくつものことを悩めるわけではなく、強い思いを持てば、悩みも消えていく。そんな考え方も、逆境を前向きに受け止める姿勢とつながっています。
足りないものを嘆くより、それがあったから今の自分があると考える
松下自身は、運のよさも成功の要因に挙げていたといいます。それでも、ないものを理由に諦めず、素直に学び、人を信じて任せる姿勢を貫いたからこそ、町工場からパナソニックを育てることができたのでしょう。逆境を嘆く前に、その中にある「おかげ」を探してみる。そんな松下流の発想は、今の私たちにも使えそうです。
※言葉の細部は紹介する書籍や記事によって表現が異なります。
参考
- 貧乏で小学校中退の松下幸之助、なぜ成功しパナソニックを世界的企業へ?(鈴木領一の思考力研究所)
- 「財産もない、学歴もない、健康にも恵まれない」三無の松下幸之助に感銘(ゴールドライフオンライン)
- 松下幸之助『人生心得帖』(PHP研究所)※上記ゴールドライフオンライン記事で引用



